2003年10月

Peach Dreamの本編でも度々登場する謎の人物「まり子の父」が、気ままに書いた不定期日記です

  


朝靄の山麓
2003/10/5撮影(電線は加工して消去)


10月4日(土) <決心会>
今日はマウスの本大会を実施するかどうかの決心会。
初めて13*13の迷路を組み立てる。柱が以外と固い。早速、指に豆を作ってしまった。
今年の参加は私を含めて4チーム。私以外の3チームは、100%に近い完走。私と言えば結局は手でアシストしてやって何とかゴール。
結論は本大会実施となったが、一番時間をかけた自分のマウスが一番不出来だったのは何とも寂しいやら悔しいやら恥ずかしかった。何せ「万が一の時、せめて1台はマウスらしく動くものを」が始めた動機だから、それが一番マウスらしくなかったのだ。
まあ本大会が出来る結果になった事を喜ぼう。
何日か前にクレジットカードのポイントプレゼントでレターオープナーが届いた。電池式。写真の封筒マークの所に封筒を差し込むと自動で封を切ってくれる。タバコより一回り小さいサイズで外観もシンプルだが使い勝手はとても良い。う〜ん、モノ造り精神の原点かも。

10月5日(日) <苦悩と決心>
昨日のマウスの走りは、とても誉めたものじゃ無い。加速も速度も停止も壁センサも全部赤点。
一番遅くても取り敢えずこのまま多少チューニングして出場させるか、あるいはこの赤点をあと3日の休日で限りなく完成させるか悩んだ。
今のままなら一応ゴールはできるが1年間の成果がビリでは悔しい。赤点を全部直せば皆が驚く走行は出来るが、今からの改造では時間が無く完走まで行かないかもしれない。どっちをとるか・・・
1日かけて悩みぬいて「出来る限りの事をしよう」と決心した。
今度の3連休が勝負だ。今日は悪い箇所のデータを一所懸命とる。
目標位置で止まらないのはモーターの回生ブレーキが効かないからだ。何故か?モーターの回転が遅いから。パワーのあるモーターだから多くのギヤを使っていない。よってモーター自体は低回転なので、いくらモーターをショートしてもブレーキの効きは悪い。ギヤ比を上げてモーターの回転を上げよう。
センサーが赤点なのは、本来は素晴らしいセンサーだが近距離は測定できない構造を知らずに車体の外側に着けたから。今は紙で遮光して感度をわざと落としているが、センサーを車体の中央に移動する。
PWM制御が上手くいかないのはフライホイールダイオードの役目をなす回路が無いこと。FET4個とゲート2個を追加する。半導体リレーはポート直接駆動によるON電流不足と思われるので、やはりFETを1段追加する。
迷路は4*4の調整用では駄目。せめて6*8は欲しい。ベニヤで作ろう。
これを3日で完成させる。目標はスラローム走行、出来なければ大会は展示のみ。
アイスを食べて頭を冷やしながら決心した。

10月6日(月) <決めたからには>
決めたからには実行。深夜、千石電商にネットで部品発注。近くに部品屋さんが無いし、あっても仕事の終わった深夜では買えない。送料はかかるがサラリーマンには便利な世の中になった。

10月8日(水) <実行あるのみ>
去年の暮から始まった水曜日の一斉定時退社日。なのに未だほんの1〜2回しか定時で帰った事が無い。そこで思い切って定時で退社して、真っすぐドイトに向かう。

黒の化粧ベニヤ板と白の化粧ベニヤ板を購入し、その場でカットを依頼。そう、スペシャル迷路を作るのだ。今の4*4迷路では、やはり小さい。5*8迷路を目指す。ただ自由に迷路は変えられないが、マウスを走らせて思う事は、そんなに頻繁に迷路は変えないという事。
直進、左右90度旋回、180度旋回、これの複合コースとなると、ある程度コースを決めてしまえば、結構長い間使える。
で、大げさに塗装などしないで、公式迷路と似た様な化粧ベニヤで簡単に作ろうという魂胆。
カットに時間がかかり、店を出たのは丁度閉店時間だった、間に合って良かった。

帰宅すると、一昨日注文した部品が千石電商から届いていた。
今回は、FETを6個、抵抗10本、電解コンデンサを10個、フォトトラを4個。

部品は揃った。嫌でも頑張らねば!

10月11日(土) <死闘の3日間−1日目>
死闘の3日間の1日目は、なぜか迷路作成から開始する。
これからマウスを始めるという、まあイントロみたいなもので、これで志気を高めて行くのだ。

黒の化粧ベニヤをベース板として、ドイトでカットしてもらった白の化粧ベニヤを壁として立てていく。ベニヤはたいがい反っているので、壁の裏の数箇所を端材で固定する。固定は硬化の早いセメダイン。

このコースは、直進、左右90度旋回、180度旋回、斜め走行までできるコース。コースの内側に化粧面がくる様に板を配置する。
なんだかんだで夕方近くまで掛かってしまった。
夕食後に一眠りしてからハードの改修に入ろうと思ったが、不覚にも深夜まで熟睡。
仕方ない、今日は迷路でおしまい。

10月12日(日) <死闘の3日間−2日目>
予定では2日目でハード改修が完了のハズだったが、何とセンサー改修で終わってしまった。それも深夜3時まで掛かって・・・

Before

After

至近距離が苦手なセンサーなので、距離を稼ぐために右センサーは左端に、左センサーは右端に配置し、光軸がクロスする構造とした。前面センサーは写真では見難いが、30mm近く後方に移動した。

また、どんなに光軸調整しても左右がぴったり一致はしないハズなので、最初から調整しない事に決めた。ただ、あまりに誤差が激しいと制御しにくいので、LED、フォトトラともに並べて基板に密着させて、あらましの光軸は合う様にした。良くある構造ですけど・・・

あ〜あ、2日間で予定の1/3も出来なかった。明日にかけよう!

10月13日(月) <死闘の3日間−最終日>
午後までかかってモータードライバ回路の変更をした。夕方やっと走行開始。
ギヤ比を17:1から204:1にしたので、90%デューティーのPWMでも物凄く遅い。使っているタミヤのギヤボックスは、この中間のギヤ比にするとシャフト位置が変わるので出来なかった。DUTY90%でブン回すしかない。おかげで回生ブレーキはすこぶる順調で、きちっと停止してくれる。

今回はスピードより壁にぶつからない正確さをモットーにしよう、と自分に言い聞かせた。
それにしても結局3連休で完成しなかった。あと残すは大会前日と前々日の2日間の休暇だ。ただ、うち1日はAM病院、PM出張(?)で、正味1日しかない。

10月16日(木) <大会2日前>
休暇をとった。本当は今日もPMは出張のつもりだったが、どうしてもの用件では無いのでパスする事にした。朝から気合を入れてプログラムの調整を行なう。
モーターのギヤ比を変えた事から、ロータリーエンコーダーの1パルスあたりの走行距離も変わってくる。全部計算し直し。

まずはスラローム走行に挑む。唯でさえ遅いのでコーナーも直線と同じ速度で曲がりたい。内輪を停止させる方式だと横転の不安がある。なにせ重心の高い構造になってしまったから。半径90mmでコーナリングする制御を組む。しかし、どういう訳か指示した通りの回転差が出ない。オシロで見たいが家には無い。おまけに原因不明のエンコーダカウント停止という障害まで着いた。

早々に諦めた。今度は斜め回転。回転する区画を45度の角度で抜けてしまう方式。このルーチンを組んでおくと斜め走行が可能になる。ターンポイント通過からブレーキが効き始めるまでのタイムラグを何度もカット&トライして実測値を求める。

何とかゴールできるまでにはなった。これを保険モードで残しておく。さあ明日は用事が多い、調整する時間がとれるか?

10月17日(金) <大会前日>
午前中は病院。いや〜大混雑。大学病院や市民病院じゃないんで数時間待ちは無いが、1時間待ちは長い。でもこの間にコーナーの旋回方法を考える。
今の方式は、45度で通り抜けるために旋回する区画に車輪が到達した時点で45度振り、そのまま直進して、区画から抜ける地点で更に45度振る。つまり直角コーナーを2段階旋回しないといけない。昨日から何か変だと思っていたが、この2段階旋回が時間がかかる。

では1回で旋回すれば良い。横転しない程度にスピードを落とせば内輪を停止させて90度振る事にしよう。でも今日はどれだけ時間がとれるか。

病院が12:30近くまでかかった。出張先の仕事は14時開始。場所は13キロ先だ。昼食の時間は無い。病院の売店でカロリーメイトを買って車内でかじりながら移動。混雑する道路なので、14時直前に到着、ぎりぎりセーフ!

仕事が終わって帰宅。夕食をとって90度回転を修正し始めるが欲が出た。
保険モードはDUTYを低めにして確実性を狙っている。90度回転を採用にあたり、ついでにスピードもMAXにしようとした。これがいかなかった、止まらん、曲がらん、壁補正が追い付かない。
明日は準備で朝が早いので、日付が変わる前に諦めた。

10月18日(土) <大会当日・・・優勝?!>
いよいよ大会当日。朝から色んな荷物を車に積んで出発。
集合時間丁度に会場に着いたが、もう若手で準備は済んでいた、偉い!
早速練習走行。心配事は2点。一つは自宅と大会では迷路の素材が違うこと。これはターン時の滑り具合や壁の反射率が変わるという大きな要素。もう一つは経験した事が無い水銀灯という証明の影響。光センサーにとっては大敵だ。

もう保険モードしか使わない。いざ試運転。・・・おおぉオ〜完璧だ〜!!迷路素材の違いや照明の影響も無し。自宅と同じ挙動だ、問題なし。まあこれでビリでも完走できる、一安心。

さて仲間のマウスは?・・・と見ると、あんなに完璧だった各マウスが不調不調。どうも水銀灯が悪い様だ。皆で検討の結果、マウスの時間だけは水銀灯を消して、スポットライトをあてる事になった、ここで準備時間終了。なんとギンギンのピンスポを浴びての試走をする時間が無い、ぶっつけ本番となった。不安だ、いくら超高輝度LEDといってもピンスポがあたるなかで正常に働くか?一気に不安が募る。

さあ、いよいよ出番。水銀灯が消され、薄暗い中に迷路だけがピンスポで明るく照らされる。走行は2番手。
1番手、ウイングタイプマウス。無難にゴール。だいぶ安全策をとってスピードは私のマウスより遅い。そして出番が来た、走るのはマウスなのに人間が大緊張。祈りながらスイッチを押す・・・ターンOK、壁OK、斜め走行OK、ゴール!・・・お〜っ、無事にゴールした。一応ウイングマウスよりは良いタイムとなった。
さて3番手、4番手は本命の登場。「MM2号機」は練習段階ではバカっ速くて確実なゴールをする。「マウスバスTYPEII」も正確性はピカイチ。・・・なのに、なのに、2台とも途中で壁に衝突、ゴール出来ず。無念!

結局、出走4台中、完走2台。タイム差で、なんと優勝してしまった。このタイムで優勝という言葉は恥ずかしいが。
出走マウスを以下に紹介。(出走順)

マッピーがベース。マイコンを載せ替えている。およそ1ヶ月前からの製作だったが、よくぞ仕上げた。だいぶスピードを落としているが、確実な走りを見せる。 当マウス。命名は、この日記にちなんで「MARIKO−03」とした。間違っても名機「NORIKO」では無い。4機中、唯一のDCモーター&可視光センサー。
第一本命。とにかく速い。このまま真面目な大会に出られそうな速さ。そして蛍光灯の下では、高い確率でゴールする。 第二本命。小さい。スピードは控えめのチューニングだが、ゴールの確実性はピカイチ。

終わった。本命の2台には、何と言葉を掛けて良いか判らない。この大会は個人競技でなく、マウスチームの競技と我々は思っている。普通の照明なら間違いなく1、2フィニッシュのハズだったのに。
本命のうちの1台の製作者であるY君が言ってくれた「来年は負けませんヨ」。この言葉が一番嬉しかった。

自宅で再現した簡易迷路での走行動画。

タイムは約13秒。ゴールした後の動きはパフォーマンスで、「左右と正面に礼(LED点滅)」の意味。

真面目にマウスをやってる方に比べれば「マウス」と呼ぶのは奥がましいです。

でもこれが、私のこの1年の全てです!

10月19日(日) <一夜明けて>
緊張の糸がプッツリ切れた。放心状態。な〜んにもしない日曜日。
時間や日にちを気にしないで、思いついたことをする。こういう休日は久し振り。
でも、そのうち手持ち無沙汰になってくる。
夜になって1日が終わろうとして気付く、何も得るものが無かった1日だった。
定年になったらこういう気分になるのだろうか? 忙し過ぎるのも嫌だが、これも嫌だな。

10月20日(月) <一人反省会>
少し落ち着いてコーナリングラインを振り返ってみる。

最初に考えたのは迷路の柱、すなわち壁が交差する点を中心として半径を描く様なコーナリング。
内輪を停止させる事無く最もスムースに回転できると考えたから。
いわゆるスラロームって言うのかな。高速マウスには有利だと思う。
でもPWM制御が上手くいかず断念。

そこで思いついたのが斜めコーナリング。
マウスの中心が、まさに1区画の45度斜め線上を走行するもの。
低速マウスなので、最も短い距離をトレースする事になる、この方式を採用した。

本番直前にトライしたが詰めが甘くて採用しなかったコーナリング。
Bの斜めコーナリングは最短コースだが内輪が2回も停止する事を嫌って、1回にしたもの。
Bよりも制御は簡単な筈だが、時間がなかった。
大会の後に何人かの人に、このコーナリングの方が良いのでは、と言われた。
確かに、一番普通の方法で、一番簡単な制御だが、一番面白くないコーナリングだと思う。
やっぱ、スピード自体が遅いのだから、技で勝負しないとね!

10月24日(金) <ダウン>
朝から不調。10時の会議に間に合わせるために朝食を押し込んだが、出勤途中の車内で冷や汗と吐き気に襲われる。
途中でUターンして家に帰る。消化不良。午前中休暇の連絡をして家で薬を呑んで安静にする。
しかし午後になっても良くならず。午後は急ぎの仕事も無いので1日休暇をとった。

夕方やっと回復。病気や怪我じゃないから、治ってしまえばスッキリしたものだ。
せっかくの休暇、マウスで買いに行けなかったインクカートリッジとDVD−Rを買いに行く。

いつも思うがインクカートリッジは高い。キャノンやHPの様にヘッド一体型なら納得もするが、EPSONはインクタンクだけだから、もっと安くて良いと思うが、カラーと黒それぞれ2個パックを買うと合わせて5千円也。
これに国産DVD−Rを10枚とDVD−RAM5枚を買うと、占めて1万円也。

プリンタも録画も綺麗で便利にはなったが、サプライ品が高くて仕方ない。
帰宅後、家計から必要経費で落としたのは言うまでもない。

10月25日(土) <仕事の休日1>
昨日の休暇も手伝って、この土日は自宅で仕事・仕事。
夕方見事な夕焼け。早速デジカメで撮って、フライングだが来月の扉にしよう。

10月26日(日) <仕事の休日2>
昨日から引き続き仕事。夜中までかかった。
深夜2時過ぎに会社にメールを送り仕事は終了。
楽しい週末は終わった。



  


inserted by FC2 system